【アインス】
「……どうですか?」

【くるみ】
「あ、んっ……はぁ……!」

アインスが何を言ったのかも、良くわからない。

ただ、体が熱くて、頭の中がまっしろで、
意識が全部、繋がったそこだけにいっちゃって、
何も考えられなかった。

【アインス】
「……馬車の揺れと……私の体……
あなたを気持ちよくさせているのは……
いったいどちらですか……?」

【くるみ】
「そんなの……わかんないよ……」

【アインス】
「……つまらない答えですね……」

【くるみ】
「だって……わかんない……
何にも……わかんないの……」

私はうわごとのように呟きながら、
アインスに揺さぶられるままになっていた。

【アインス】
「わからないじゃ……ダメですよ……。
ちゃんと答えてくれないと……」

【くるみ】
「だって……だって……」

指先から、髪の一本一本までが、
悦びによって震えている。

体の真ん中を走る熱い杭の感触を、
私は夢中になって貪っていた。

こんな状態で、何も考えられない。

【アインス】
「答えてくれないと……
私はあなたを嫌いになってしまうかも……
しれませんよ……?」

【くるみ】
「あっ……やっ……それは……嫌……!」

やっと気持ちを伝えられたのに、
アインスに嫌いになられちゃうなんて、
そんなの絶対に嫌。

【くるみ】
「やだ……嫌いになっちゃ……嫌……、
私のこと……嫌いになったら……ダメ……」

【アインス】
「じゃあ、ちゃんと……答えなさい……?
あなたを気持ちよく……させているのは……
一体なんなのですか……?」

【くるみ】
「……ス」

【アインス】
「なんですか?」

【くるみ】
「……アインスが……私を……、
アインスが気持ちよくしてくれているの……!」

熱い吐息と共にやっとの思いで答えると、
アインスは満足そうに笑って囁いた。

【アインス】
「そう……あなたは……そうやって……
私の虜に……なっていけば……いいのです……。
私に抗えなくなる……くらいにね……」