【くるみ】 「し、失礼します……」 ドアを半分だけ開いて顔を覗かせる。 【くるみ】 「……」 【レオン】 「何をしている、入ってこい」 【くるみ】 「だけど」 【アインス】 「何を遠慮しているんですか? さあ、どうぞ」 【くるみ】 「きゃあっ」 アインスにドアを引っ張られ、 私は勢いで部屋の真ん中まで進み出てしまった。 【くるみ】 「う〜……」 【レオン】 「ほう」 【アインス】 「……へえ……」 ど、どうしよう、 次にどうやって動けばいいのかわからない。 手ってどうやって動かすの? 足はどうやったら動くの? 【レオン】 「ほほう……」 【アインス】 「これはなかなか」 な、何がなかなか?? 私はどうすることもできなくて、 スカートの裾を一生懸命引っ張りながら、 俯いてもじもじ足をすり合わせていた。 こんなに短いスカートをはいたの、 生まれて初めて。 ちょっと屈んだだけで、下着が見えちゃう。 こんなに胸の開いた服を着るのも、 生まれて初めて。 屈まなくてもすでに、胸の谷間が見えちゃってる。 【レオン】 「ほうほう」 【アインス】 「ふーん……」 あんまり……見ないで……欲しい……。 【レオン】 「……バカ正直というか、単純と言うか」 【アインス】 「純粋と言ってあげて下さい、レオン様。 もしかするとただ騙されやすいだけの子かも しれませんが」 【くるみ】 「……え?」 【レオン】 「……ふははははは」 【アインス】 「ふふふっ」 【くるみ】 「!?」 何、何がおかしいの!? 【レオン】 「いやあ、まさか本当にこの服を 着てくれる娘がいるとは思わなかったぞ」 【くるみ】 「え」 【アインス】 「作った甲斐がありましたね、レオン様。 どの娘からも嫌だと断られたのに」 【くるみ】 「ええっ」 【レオン】 「はははは、それも思った以上に似合う。 俺様は大満足だ」 ……………………。 ど、どういう……こと? 【アインス】 「この服なんですが、 どのメイドに着せようとしても、 全員から拒否されてしまったんですよ」 |