ファウストが目を覚ました。
その目と視線が合ってしまう。

【ファウスト】
「…………何をしているんだ?」

そう言われてハッとする。

あと少し前に出たら、唇が届いてしまうほどの
距離にファウストの顔があった。

さっと離れようとしたんだけど、ファウストに
手首をつかまれてしまった。

【ファウスト】
「…質問には答えるものだろう? それとも、
 俺と一緒に寝たいのか?」

【ユーリ】
「ち、違うわよ! 掃除をしようとしたら、
 あなたが眠ってたから、どうしようか
 迷ってただけ」

【ファウスト】
「ふふ。どうする…ね。俺はお嬢ちゃんにどう
 されてもかまわないけど?」

ファウストが含み笑いをする。

また、いつものナンパモードになったみたい。

【ユーリ】
「蹴飛ばして起こそうか、怒鳴ろうか、迷って
 いたの!」

【ファウスト】
「はは…。どれも遠慮したいね。俺を起こすなら、
 やさしくしてほしいものだな」

【ユーリ】
「寝起き悪いくせに」

【ファウスト】
「起こし方が悪いって、言ってくれないか?
 俺はかわいい女性にやさしく『起きて』と
 言われたら、すぐに起きるね」

【ユーリ】
「やっぱり蹴飛ばせばよかったわ」