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▼ SCROLLING ▼

【瀬名】
「なんでもいいよ。君が昔聞いたお話でも」

【アーシェ】
「……じゃあ、青薔薇姫のお話なんてどうかな」

小さかった頃乳母が話してくれたおとぎ話。
子どもっぽいと思ってずっと思い出さなかったけど
話そうと思えばいつだって話せる。

【瀬名】
「うわ、話してくれるんだ!」

瀬名は無邪気に笑う。

【アーシェ】
「うん、でも子供っぽい話だよ」

【瀬名】
「君が話すならなんだっていいよ。
……お礼に、いいものをあげるよ」

瀬名はテーブルの上にあったガラスの器を
手に取った。中には淡い色の玉が入っている。

【アーシェ】
「……!!」

瀬名はその玉を口に含むと、私に口付けてきた。

【瀬名】
「ほら、味わって……おいしいでしょ?」

瀬名の舌と一緒に小さな玉が私の口の中に入り、
口の中でほろりと解けた。
とたんに不思議な味が口内に広がる。

【瀬名】
「……んっ……ねえ、おいしい?」

私は返事ができなかった。

このキス、おかしいよ。

口の中から快感が全身に広がって、
頭が真っ白になる。ふわふわと体が軽くなり、
息が乱れた。

【アーシェ】
「ん……なんだか……へん……」

瀬名の唇がゆっくりと離れていく。
私はそれを惜しく思った。
もっと、してもらいたいのに……。

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