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▼ SCROLLING ▼

ぺろり

【アーシェ】
「……!」

私の唇の端を、カイルの舌が舐める。

クリームを舐め取り、そのあとまるでキスするみたいに、自分の唇をそこに合わせた。

……こ、こんなの、猫の姿の時はよくあった光景じゃない。

そう、目の前にいるのは猫なの。

猫、猫、猫……。

…………。

……猫になんて見えない〜!!!!

【アーシェ】
「……あの、カイル」

【カイル】
「?」

【アーシェ】
「じ、自分でやるから……」

【カイル】
「!!」

真っ赤な私の顔を見て、ようやくカイルも今の状況に気がついたみたい。

慌てて体を離すと、私以上に顔を紅潮させて、あわあわと両手を意味なく上下に動かした。

【カイル】
「す、すみません、すみません、すみません」

【アーシェ】
「べ、別にいいよ……」

そうやって謝られちゃうと、物凄いことをされちゃったみたいな気になっちゃうじゃない。

【カイル】
「私、なんてことをしてしまったんでしょうか」

今のはクリームを取ってもらっただけ、決してキスなんかじゃないんだから。

【カイル】
「ま、まさか、そんな、姫様に接吻してしまうなんて!!!」

【アーシェ】
「!!!」

……や、やっぱり、今の、キス、になるのよね。

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